True love stories never have endings
(本物の愛の物語には、結末なんてない。)


降谷と安室とめんどくさい恋をする

彼の瞳に映る私は吐き気がするくらい気持ち悪かった



「おはよう、みょうじさん」

朝起きて学校へ行こうとすると、家の門のところに降谷くんが立っていた

家の住所は教えていないはずなのだけど……


「どうして、私の家……」

「昨日家に帰ってからメールくれたじゃないか
 それで、そのメールが送られてきた時間と俺と別れた時間を計算したら、大体の住所が特定できたんです」

嬉々として語る降谷くんを見て、本気でこの人やばいと思った


「えっとその……私に何か用?」

刺激して、逆上されたら怖いので、優し気な口調と声色と心掛けた
降谷くんは好きすぎて殺す、俗にいうヤンデレというものかもしれないと私は思った
ついでにストーカー気質もプラスされる
嫌なスキルの組み合わせだ…

今まで生きてきて、初めて出会ったタイプだったのでとりあえず頭を使って降谷くんの対応をすることにした

「一緒に学校に行きたいと思って」

降谷くんが通う高校と私の通う高校は結構近いが、わざわざ一緒に学校に行くなんてまるで恋人同士のようじゃないか

よくある話だ
その人の中では、もう恋人になってるみたいな

私はとりあえず、降谷くんが怖かったので逆らわないことにした


「今日のみょうじさんはなんか弱弱しいですね
 なかなかそそられます」


「え、えっとありがとう?」


なんて答えたらいいのか分からなかったので、お礼を言った
正解だったかはわからないが、降谷くんが嬉しそうに笑ってるのでよしとしよう

降谷くんはこうしてみるとなかなかカッコいいし、女子がメロメロになるのも分かる気がする

「降谷くんって綺麗な顔してるよね」


下心もなく特に意味もなく、ポロッと出た言葉に少し降谷くんは顔を歪めた
一瞬だけだったが、初めて降谷くんが私に対して不快感を晒した


「ごめん、顔褒められるの嫌だった?」

「今まで会った女子みんなそういうから……」

「そう」


降谷くんはカッコいいから女子関係で相当苦労したに違いない
軽率な発言だったなと反省した


「勘違いしないでほしいんだけど、私はお世辞とか下心とかあってそういうこと言ったんじゃないから」


これだけは言っておきたかった
降谷くんには勘違いされたくなかった


「降谷くん、私みたいに自分のこと嫌いにならない方が良いよ」


降谷くんは驚いた顔で私を見た

降谷くんの悲しげな目には無表情で感情が薄れている私が写っていた