True love stories never have endings
(本物の愛の物語には、結末なんてない。)


降谷と安室とめんどくさい恋をする

リセット



※降谷視点


「ほら、言ったでしょう
 彼女を追いかけた方が良いって」


「今更そんなこと言われても…」


誰が予想できただろうか
まさか自分がベルモットに恋愛相談をする日が来るなんて

たまたま仕事が一緒になったベルモットに、「女性に振られた場合、男は追っかけてもいいものなんですかね」と零してしまい、全て話すと思いっきりため息をつかれた後に、冒頭の台詞を投げつけられた


「バーボン、あなた女性慣れしているようで全然してないのね?
 それとも、彼女限定なのかしら?」


「……余計な一言です」


「まあいいわ…
 私から言えることは一つよ
 やり直しは何度でもできるわ、それに話を聞いていると彼女はあなたのこと嫌いになったわけじゃないと思うわ」


ベルモットと車に乗っているのを見られた時も、昨日もなまえは悲しそうな顔をしていた
それと、どこか諦めた顔をしていた

そんな顔をさせてしまったのは、俺だ

もう一度恋をする
やり直すことなんてできるのだろうか


「私が言えるのはここまでよ
 後は自分で考えなさい」


そういって、ベルモットはいなくなった

なまえには無理をさせすぎた
だから、少しだけでも会えるようにポアロのシフトを教えた
でも、それが逆効果で俺となまえの間に余計なすれ違いを生んだだけだった

“安室さんの頼みですから、喜んで”


あの時の言葉が素直になれず、少し意地っ張りななまえの心の叫びだったら
なまえはいつだって、些細なサインを出していた

それに俺が気づけず、なまえが隣がただ傷つくの必死に隠した表情を見ていただけだ

俺はとりあえず、なまえのマンションに向かうことにした
1人で考えてたって、しょうがない

この間のストーカー事件以来、何かあった時のためになまえのマンションに入るためのパスワードを教えてもらい、指紋認証も登録してもらった
セキュリティが厳しいだけに、手続きはかなり大変だった


部屋の前に着いた
深呼吸をして、ドアノブを引くと鍵が閉まっていなかった
ここは入り口が厳しいが、ドアはオートロックではない

つまり、なまえが鍵を閉め忘れているということだ

何かの理由で、鍵を閉められない?
閉める余裕もなかった?


唐突に不安になり、ガバッと勢いよくドアを開ける
するとそこには、床に座り込んだなまえがいた