True love stories never have endings
(本物の愛の物語には、結末なんてない。)
降谷と安室とめんどくさい恋をする
別人
今日は仕事が早く終わったので、ポアロにいくことにした
ポアロに向かっていると、零から《本職の方の仕事が入って、今日はいない》と簡潔なメールが送られてきた
文面を見るに、相当切羽が詰まった状況なのだろうか
このまま帰るのもどうしようかなと悩んでいると沖矢さんから家に来てほしいとメールが届いた
どいつもこいつもメールか、電話にしてくれ……と思いながらも、ちょうど歩いてるあたりが沖矢さんの家の付近だったので、断る理由もなく、OKのメールを送った
私は沖矢さんにチョロイ気がする
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沖矢さん宅につくと、何故かコナンくんも待ち構えていて、聞きたいことがあると真剣な顔で言われた
私はゆっくりを頷いた
「なまえさんって、安室さんの恋人?」
「ううん」
私が首を横に振ると、コナンくんは表情を変えず、次の質問をした
「安室さんって、お仕事何やってるの?」
「え?探偵とポアロのバイト…じゃないの?」
どうして、コナンくんがこんなことを聞いてくるの
零が、警察でどこの部署かは知らないけど…そのことは誰にも言うなって言われてて、でもどうしてこの子に嘘をついてしまったのだろう
コナンくんは私をじっと見つめた
安室透について、聞きたいんじゃない
降谷零についてを聞きたいんだ
教えてあげたくても、私は零の仕事のことは全く知らされていなくて知らない
「コナンくんは安室さんの何が知りたいの?」
コナンくんの目つきが変わった
私は気づかぬふりをして、続ける
「私は“安室さん”のことは知らない」
「“安室さん”のことは?」
「コナンくんが知りたいのは安室さんじゃない人だよね?」
私が笑みを浮かべながら言うと、コナンくんは顔色を変えた
コナンくんは私に質問してくる時点で、ある程度の情報を集めている
でも、まだ確信に至らなくて、私に問うことにしたんだろう
コナンくんは私よりも零を知っている
「そうだよ、なまえさんはそれを僕に教えてくれるの?」
「教えたいけど、私はそれを教えられるほど、“彼”のことは知らないんだよ」
「ゼロって誰だかわかる…?」
「……分かるよ」
コナンくんと表情をあまり変えない沖矢さんでさえも、表情を変えた
「赤井さん」
コナンくんが沖矢さんを“赤井さん”と呼んだ
赤井さんって誰だ
その時、沖矢さんの顔の皮膚が剥げた
そう見えただけで、床に落ちたのは変装用のマスクのようなもの
見えた顔は沖矢さんとは全く別人だった