True love stories never have endings
(本物の愛の物語には、結末なんてない。)


降谷と安室とめんどくさい恋をする

どうしようもない2人



「…ん〜それは恋患いじゃないの〜?」


会社の先輩に相談すると、そんな答えを返された
この先輩は私に以前、毛利探偵を紹介してくれた先輩である


「恋患いってなんですか」


「ネットで調べなさい、私もう休憩終わりだから〜」


先輩はサバサバしてて、結構大雑把なところもある
最近、結婚式を挙げた
私も見にいって、ブーケをキャッチしてきた
零には言わなかったけど、即結婚とか言われそうだし


「なになに……恋患いっと…
恋するあまりの悩みや気のふさぎ。恋のやまい……」







仕事が終わると、零からメールがきていた

“今日会えないか”というシンプルなメールだった
“分かった”と返事をすると、すぐに“今から会社に迎えに行く”と返事がきた
私は結構残業することが多い
仕事を明日に回すのを極力避けたいからだ

だから、帰る時間はばらばらなのに、なぜ今私が会社にいると分かった?
考えるまでもなく、いつものやり口だろう


「…発信器」


昨日も私物を何度も調べたはずなのに見つからなかった
一体どこに隠しているのだろう


「なまえ、迎え待ち?」


「はい、先輩もですか?」


「うん、最近旦那がうるさくてね……
そうだ、私なまえに言わなきゃいけないことがあったの

来週から、会社を辞職することにしたの
本当は1か月は残ろうと思ったんだけど、旦那の出張が決まっちゃってね…
ごめん、私いなくなったらまた仕事増えるね…」


「その心配はないですよ」


気が付くと、会社の前には零の車が停まっていた


「わ、なまえの彼氏かっこいい〜」


「こんばんは、なまえの先輩の方ですか?
いつもなまえがお世話になっております」


「はい〜こちらこそ!」


そうこうしているうちに、先輩の旦那さんが迎えに来て、先輩はそそくさと車に乗り込んでいった

私も零の車に乗り込む


「零、どうしたの…いきなり」


「しばらく会えなくなる
潜入捜査先で、危険な仕事を任されてね…」


「……そう」


「なまえは寂しいとか言ってくれないよな」


私は驚いて、思わず零の方を見た


「やっと名前で呼んでくれるようになったのに、返事はまだくれない」


「……ごめん
私はどうしようもなく不安なの
だって、零は私と仕事だったら仕事を選ぶでしょう?
また零が私の目の前からいなくなるんじゃないかって……」


「なまえ、俺が警察になろうと思ったのはお前を守りたいと思ったからだ
もう危険な目に遭わせたくないんだ
俺はお前を守るためなら、突き放したり、嘘をついて騙したりを平気でする人間だ」


零は昔から少し歪んでいる
私はそんな零の愛情表現に最初は怯えたり、驚いたりしたが、今となっては私への想いが現れたものなのだと嬉しく感じられる

私も零と同じくらい歪んでしまったのかもしれない


「…私たちどうしようもないね」


零も「そうだね」と笑った