True love stories never have endings
(本物の愛の物語には、結末なんてない。)


降谷と安室とめんどくさい恋をする

その一言だけで十分



「大丈夫か、名前」


「うん」


「お前をずっとストーカーしてきたのは佐々木って奴だった」


「最初から気づいていたの?」


「もしかしたらとは思っていたよ」


グレーのスーツを着た降谷はかっこよかった
まるで別の世界の人みたいだ


「また怖い思いをさせた」


「降谷のせいじゃないでしょ」


「それでも、守りたかった」


「ありがとう来てくれて」


降谷は私の名前を呼ぶと私を抱きしめた
苦しいくらい強く抱きしめられて、「苦しい」というと力を緩めてくれた


「なまえ、好きだ」


「……」


「あの日みたいに好きって言ってくれよ」

すがるように私に言う降谷はあの時のままだ
29歳になっても、そこだけは変わらなかったんだなあと思った


「だめだよ、降谷」


「頼む…
必ずお前を幸せにする」


「降谷」

降谷は顔を上げた
少し情けない顔をしていた
私は降谷の前髪をよけて、おでこにキスをした

「降谷、私は待てなかった
こんな私が言える立場じゃないけど、待ってくれないかな」


「……前向きに考えてくれるのか?」


「……うん
私、今混乱してて……落ち着いたらちゃんと返事するから
それとね、私はあの頃からずっと降谷のこと好きだよ
それだけは言っておく」


降谷は私をまた強く抱きしめるとゆっくりと離れた


「また来るよ」


「うん」


降谷は私がしたように私のおでこにキスをした