True love stories never have endings
(本物の愛の物語には、結末なんてない。)


降谷と安室とめんどくさい恋をする

王子様は必ずお姫様を助けに来る



朝起きて、鏡を見るとひどい顔をした自分が写っていた
昨日、降谷の車から逃げて、タクシーに乗って、帰った

それで帰ってずっと泣いていた
どうしたらいいのか分からない感情が私の中で渦巻いていた
今日は会社が休みで本当に良かったと思った

携帯を見ると、降谷からたくさんの電話やメールが来ていた
もううんざりだった

今日は気分転換に買い物にでも行こうと思った矢先
ピンポーンとチャイムが鳴った
私の住んでいるマンションは、セキュリティが万全なため、住んでない人が入るには中の人に開けてもらうしかないのだ
訪ねてきた人の顔はモニターに映るし、居留守をしていても相手にはばれない

そのため、ストーカー被害に遭った女性がよく引っ越してくる
女性オンリーのマンションというわけではないが、女性と男性で階は分けているようだ


モニターを見ると、見知らぬ男が立っていた
見たことがあるように気もするが、気のせいかもしれない
その時、男がこっちを見てにやりと笑った


「みょうじさん、久しぶり
みょうじさん、覚えてる?佐々木だけど
あの日以来、みょうじ学校来なかったからさ、寂しかったよ
あの彼氏と別れたんだって?慰めてあげようか?」


確かに私は、佐々木くんに襲われた後から学校に行かなくなった
行ったとしても、保健室通いだった

短大受験のことも考えて、なるべく学校に行くようにしたし、先生たちも私を気遣って放課後に授業をしてくれた

それで私はなんとか短大に進学できた


それでも、佐々木くんが作ったトラウマは私を苦しめ続けた
あの日から、人が信じられなくなった
いつ誰が佐々木くんのように本性を現すかわからない
保健室の先生からカウンセリングを受けて、なんとか人と関われるレベルまでこれたが、今でも人と関わることが少し怖い


「ずっと会いたかったんだよ、だからずっと我慢してきたんだ
後ろから見てる君も可愛かったし、僕の視線に気づいてびくびくしている君も……」


私は腰が抜けて動けなくなった
そのまま床に座り込んだ

私がロックを解除しない限りは佐々木くんは入ってこれない
いなくなるまでやり過ごそう


「何をしている!」


聞き覚えのある声がして、モニターを見ると佐々木くんの背後に降谷がいた


「……またお前」


「俺はなまえの王子様だからな」


「殺してやる!」



佐々木のくんはナイフを持って、降谷に向かってくるも、降谷の強力なパンチが腹に炸裂し、佐々木くんは床にうずくまっていた


「あの時は捕まえられなかったが、今なら、捕まえることができる」


「くっ!」


ちょうどよく、パトカーのサイレンが聞こえた
私は、ホッとして胸をなでおろした