True love stories never have endings
(本物の愛の物語には、結末なんてない。)


降谷と安室とめんどくさい恋をする

二つの選択肢



「警察学校……?
警察官になるの?」


「ああ…」


「そっか…」


「試験に受かったら、しばらく会えなくなる
 勉強に集中したいんだ
 下手したら、卒業まで……」


卒業までに何年かかるのかは分からないが、きっと2〜3年ぐらいだろう
それなら私の返事は決まっていた


「降谷、私ね
 今回の一件で降谷がどれほど私にとって大事な存在か分かったの
降谷以外が私に触れるのは嫌だし、私の知らない降谷がいるのも悲しい」


「……」


「私はダメな女だから、待てないよ
ドラマみたいに、聞き分けの良い女にはなれない
だからね、私にちゃんと言ってほしいの、夢か私か
諦めさせて、降谷のこと」


「なまえ!」


「ごめん、私降谷が思っている以上に我儘な女なんだよ
降谷の嫌いなめんどくさい女」


降谷は唇をかみしめて、耐えていた
いつもの降谷なら、私を怒鳴り散らしているか、責め立てるかのどっちかだ
降谷は頭に血が上りやすい
それは警察官としては少し致命的かもしれない
それでも、それをカバーできるくらいの冷静な判断力を降谷は持っている



「俺はなまえが好きだ」


「私も好きだよ」


「俺は警察官になる」


「うん」




私と降谷の約2ヶ月の交際が終わった
人を好きになることを教えてくれた、降谷には感謝しきれない
デートも、キスのその先もしたことはなかった

それでも、私は幸せだった

ありがとうって、言わなきゃいけないのに、私の口は言うことをきいてくれない


最後に見た降谷は涙で歪んでいた