本当に怖いのは誰でしょう?

※2章から3章の間ぐらいの話


しばらく会っていなかった零から、明日会えないか?とメールが来た
お互い忙しく、会う暇もなかったので、私も会いたいと返信をすると明日はポアロのバイトがあるから探偵事務所で待たせてもらえと返ってきた

蘭ちゃんにそのことを説明すると快く待たせてもらえることになった
唐突に昨日やっていたホラー番組の話になり、園子ちゃんが知っている怖い話をし始めた


「すると……背後に白い服を着た女が……!」


「いやー!」


蘭ちゃんの悲鳴に近い声が探偵事務所に響く
それにはコナンくんも私も驚いて、目を見開いた
むしろ、その悲鳴が一番怖い


「もー蘭は昔から怖い話だめなんだから〜
 幽霊なんか空手がちょちょいのちょいって感じなのにね!
 なまえさんは怖い実体験とかないんですか?」


「怖い話はやめようよ〜」


蘭ちゃんが園子ちゃんに涙目で泣きつくも、園子ちゃんは気にした様子もなく、話を続ける


「ん〜そういえば、少し前の話なんだけど…」


私が話し始めると蘭ちゃんが顔を真っ青にし、園子ちゃんが目を輝かせた
若い子たちはこういう話大好きだものね、私も昔は好きだったなあ


「仕事終わりに1人で帰ってたら、視線を感じて振り返ったの、でも誰もいなくてね
 気味が悪くて走って家に帰ったんだけど、家に着いても視線をずっと感じるの
 すると、ベランダの窓が開いてることに気づいた
 もちろん、ベランダには誰もいないし、開けた記憶もないから本当に気味が悪くて
 全部の部屋をくまなく探しても誰もいなかった
 そして、浴室でシャワーを浴びいている時に鏡を見たら、後ろのドアに人影が…!」


「ひっ……」


「……ごくり」


蘭ちゃんは顔を真っ青にし、園子ちゃんはごくりと唾を飲んだ


「勇気を出して、開けたら……」


「何の話をしてるんですか?」


突然現れた零に蘭ちゃんだけではなく、私と園子ちゃんも悲鳴を上げた
いつからいたの、この人!


「あ、安室さん……!
 びっくりさせないでくださいよ〜!」


「透、いつからいたの…」


「さっきだよ
 さ、行こうか」


透が手を引くので、私はその流れに沿うように歩き出す
ちらりと蘭ちゃんたちの方を見る
私は口パクで「こ い つ が は ん に ん」と零を指さしながら言う

蘭ちゃんや園子ちゃんだけではなく、コナンくんでさえも、顔を真っ青にした
それとは反対に透だけが機嫌がよさそうに笑っていた