■ 悪夢の中であなたを探す

「どうしたの、蘭
さっきはあんなに必死になまえを引きとめて……」

「さっきのなまえ、トロピカルランドで姿を消した時の新一に雰囲気が似ていたの」

「考えすぎよ、それよりさっき新一くんに電話かけた時、ここの館内放送聞こえたんでしょ?
 こんなところに男一人で来るはずがない!つまり女と来ている!
 浮気現場を確保してやるわよ!」

「ちょ……園子!」






観覧にに乗り込むキュラソーをなんとか見つけたものの、従業員の人に止められてしまい、キュラソーの乗っていた観覧車は私たちの目の前で出発してしまった
新一は人ごみを駆け抜けてる、それを私も追う
観覧車の立ち入り禁止の入り口から観覧車の内部へ侵入した
少し歩いたところで「赤井さんだ」と新一が言ったので新一の視線の先を見ると、赤井さんが走り去っていく姿が見えた


「赤井さん、やっぱり来てたんだ……」

「なまえ、こっちに来てくれ!」


新一が指さしている先には爆弾らしきものがたくさん仕掛けられていて、そのコードのような線は全て消火器の中に繋がっていた
いきなり中を開けるのは危ないと判断した新一は、消火器の横のテープをはがし、中を覗き込んだ
中を見ると、爆弾の起動装置のようなものがあった


「爆弾…!」

「ここには赤井さんがいるはずだ……」

「新一、私が見つけてくる!」

「おい、なまえ!」


赤井さんを探していると、花火の音が聞こえた


「赤井さんどこ……!」


多分、観覧車の上の方にいるとは思うけれど、全く見つけられない
ただひたすら上へ登っていく
すると、何かが落ちてきたように大きな音がした

うまく聞き取れないが、声は赤井さんと安室さんだと分かった


「あの二人…まさかこんな時に喧嘩してるの…?」


私の中で何かが切れた音がした
私は無我夢中で階段を駆け上がった

すると、赤井さんと安室さんが向かい合い構えていたので、私は思わず赤井さんと安室さんにパンチをお見舞いした
二人は一瞬何が起きたのか分からなかったらしく、唖然として私を見ていた
殴られたということに気づくと、殴られた部分を目を開いて、撫でていた


「何やってるんですか!?こんな時に!!今はそんなことしてる場合じゃ…」

「赤井さん!!奴らキュラソーを奪還したら観覧車ごと爆破するつもりなんだ!
力を貸して!」


下の階から、新一の声がして、安室さんが新一に向かって叫んだ


「本当か、コナンくん!」

「安室さんどうしてここに…」

「そんなことよりも爆弾は!?」

「遠隔操作のやつみたいで、でも解除はできるみたいなんだ!」

「分かった!今、なまえさんとFBIとそっちに行く!」


新一はひどく安心した声で「うん!」と返事をした


「急ぎましょう!」


私は急いで駆け出した
一秒でも時間が惜しい


「赤井、いつからあんなになまえさんは強くなったんだ…」

「俺が戻ってきた時にはもうああなっていた…」

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