■ 悪夢と私の2人っきり
あのあと、お姉さんは医務室に運ばれ、検査の後に警察病院へ搬送されることになった
胸のざわめきは未だ収まらない
私はただ、救急車が走り去るのを見つめていた
「(どうして、こういう時に繋がらないの、赤井さん……!)」
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私は子どもたちと別れ、新一の家に行くことにした
可能性は低いが、もしかしたら赤井さんがいるかもしれないと思ったからだ
予想通り、チャイムを鳴らすも返事はなかった
「やっぱりいない、どうしよう」
すると光彦くんから電話がかかってきて、みんなでお姉さんのお見舞いに行くから一緒に行かないかと誘われた
高木刑事に頼み込んだらしい
私は子どもたちと病院の入り口で待ち合わせの約束をして、電話切った
途中で渋滞に巻き込まれてしまい、着いた頃にはもう面会は終わってしまっていた
「遅れるから先にお姉さんと面会してていいよ」と子どもたちに伝えていたので、会えなかったのは私だけだった
子どもたちが今から観覧車に乗りに行くというので私も行きたいと言おうとした時、電話が鳴った
「あ……沖矢さんから電話きたから、ちょっと出てくるね」
待っててほしいという旨を伝えると子どもたちは笑顔で了承してくれた
誰かに聞かれるのは不味い話かもしれないと思い、私は人気のない駐車場の近くの建物の壁に寄りかかって、電話に出た
「悪い、連絡が遅れた
運転手は銀髪にオッドアイの女だった
それがどうかしたのか?」
「その人、今警察病院搬送されています」
「接触したのか?」
「はい、でも記憶喪失みたいで私のことは知らなかったみたいです」
私は組織の人間に面が割れているから、何らかの反応はしてくるはずなのにそれがなかった
それに最初は哀ちゃんも全く警戒してなかったし、組織の人間だなんて思いもしなかった
その時、たまたま駐車場に目がいった
そこには安室さんとベルモットがいて、不穏に雰囲気だった
多分安室さんはベルモットに銃を向けられている
「なまえ、どうかしたのか?」
安室さんとベルモットが乗った車が走り去るのを見ていた
「赤井さん、安室さんか今ベルモットに銃を突きつけられて、車でどこかに行ってしまったんですけど………」
「……お前は心配するな
俺が何とかする」
私が返事をする前に、電話は切られてしまった
「……また置いてきぼり」
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