■ if ―U―
「随分、やらかしてくれたな」
赤井さんは呆れたように私を見た
キュラソーを家に連れて行った時、赤井さんは凄い勢いで怒った
今まで怒った彼を見たことがなかったので、かなり心配をかけてしまったらしい
「…でも、どうしてもキュラソーを助けたかったの」
「分かっている
お前のそういうところは、良いときもあるが、悪いときもあるぞ」
「……はい」
「今日はポアロに行くんだろう?」
そう、安室さんに色々謝らなきゃいけないことがあるのだ
あの観覧車の一件以来、私の怪我や体調などの問題で安室さんに会いに行くことができなかった
「はい、行ってきます!
今日はご飯、一緒にいいですか?」
「はい、なまえさんの好きな物を作って待っていますね」
赤井さんはもう沖矢さんに戻っていて、私はキャラの差に思わず笑った
すると、沖矢さんは私のおでこにキスをしてくれた
「いってらしゃい」
「いってきます」
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「説明してもらいましょうか、なまえさん」
新一と安室さんの板挟み状態にあっている
店内にはお客さんもおらず、ちょうど空いてる時間らしい
空いてるため、安室さんは休憩をもらったらしい
テーブル席でむかえに安室さん、隣に新一という状態だ
「えっと、キュラソーはクレーン車が潰される前に救出しました。
死体は、博士に前にもらった膨らむ人形を使いました
黒こげになったら分からないと思って…」
「ああ、次の日にすぐ調べたらゴム製の人形だったよ
ずいぶん特殊な仕掛けがついていたようだ」
「安室さん、そんなに怒らないでください……キュラソーをFBIに明け渡したことを怒っているんですか?」
「当たり前だろ!?キュラソーは公安が頂くと言っていたのに、FBIに掻っ攫われるなんて!」
安室さんは完全に素の状態で私を怒った
それでも、梓さんに聞こえないように、配慮はしていたようで声は抑えていた
「あのあと、始末書の山だったんだからな、もうこれっきりにしてくれよ」
「すみません」
するとカランカランとお客様がきた音がして、安室さんは「仕事に戻るとするよ」と戻って行った
それから、新一に一時間説教を食らい、帰りが遅い私を心配して沖矢さんが迎えに来てくれるのであった
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