■ 悪夢と戦う
「!」
私の横の壁を弾丸が撃ち抜いた
私はゆっくり息を吐いた
そして、また走り出す
「赤井さん」
その時、私の足元が崩れた
突然のことに反応できず、落ちる!と思った時に誰かが私の手をつかんだ
「大丈夫か!なまえさん!」
「……安室さん!」
安室さんは私を引き上げて、安全な場所に下ろしてくれた
「ずいぶん、無理をするようになったね」
「今まで何もしてなかっただけです」
「……とんだおてんば娘に育ったな……」
そういって、安室さんは私の頭を優しくなでた
そうすると、下の方から赤井さんと新一の声が微かに聞こえた
安室さんにも聞こえたらしく、身を乗り出して赤井さんに叫んだ
「そのライフルは飾りですか!
何か策はないのかFBI!」
「あるにはあるが、暗視スコープがお釈迦になってしまってな…予備のスコープでは闇夜のカラスは落とせんよ」
「照らすことはできるけど……大体の位置が分からないと…」
そういった新一の声を聞いた安室さんは何かを思いついたように叫んだ
「大体の形が分かればいいんだな!」
安室さんは爆弾の入ったライフルケースを持ち上げた
「見逃すなよーーーーーーーー!!」
安室さんは叫びながら、勢いよくライフルケースを投げた
爆弾が爆発して、組織のヘリが姿を現した
「あそこか!」
新一が組織のヘリに向かって、花火ボールを蹴り上げた
「堕ちろ!」
花火で照らされて、さっきよりはっきりと見える組織のヘリに
赤井さんが弾丸を撃ち込んだ
これで組織も撤退すると安心したのもつかの間、組織はまた攻撃を始めた
私は、忘れていた
ジンという男は執念深い人だということを
組織のヘリは車軸に向かって、弾丸を撃ち続ける
「くそっ!」
新一は弾丸の攻撃を避けながら走り出した
みんなバラバラに逃げ出す
私は安室さんと走り出す
その時、足場が崩れ、赤井さんは瓦礫と共に姿を消してしまった
「赤井さん! 」
「なまえさん、危ない!」
安室さんと私が立っていた足場も崩れてしまい、安室さんは私を庇うように引き寄せた
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