■ 悪夢とシンデレラ

「すぐに開けなかったのは賢明の判断だったよ」


安室さんが消火栓に取り付けられた装置を解除して、消火栓を開いた


「解除できそう?」

「ああ、よくあるタイプのだからな……時間さえあればできる」

「安室さん爆弾解除できるんですか」

「警察時代の同期にそういうの詳しいやつがいて、そいつから教えてもらったんだ
まあ、そいつは観覧車に取り付けられた爆弾処理の途中で死んだけどね……」


新一が、心配そうに「大丈夫なの?」と聞くと、安室さんは「あいつの腕は完璧だった」と言った
赤井さんがライフルケースを安室さんの方に蹴った


「中に工具がある
俺は上に戻って奴らが来るのを迎えうつ」

そういって赤井さんは走り去った
新一がライフルケースから出した工具を安室さんへ手渡した


「ありがとう、コナン君」


安室さんが爆弾解除を開始した
その時、胸ポケット入れていた探偵バッチから志保ちゃんからの声がした


《なまえ!あなた今、観覧車のところにいるんでしょう!?》

「いるけど哀ちゃんどうしたの……」

《あの子たちが観覧車に乗っているのよ!!》

「えっ!哀ちゃん今どこ?」

《観覧車に向かっている途中よ!》

「今行くから!正確な場所を教えて!」


私は哀ちゃんから正確な場所を聞き、新一と安室さんに「ごめんなさい!私行かなきゃいけない!」と簡潔に言い残し、走り出した


「ノックリストを守らないと!」と新一も別の方向に走り出した

「ったく……どいつもこいつも……」






―――東都水族館カフェ

ベルモットの携帯が鳴った
登録していない番号だったが、ベルモットは躊躇なく、電話をとった

「(まさか……)
 誰?」

「久しぶりね、ベルモット」

「キュラソーいつ記憶が戻ったの?
 RUMにあなたからのメールが届いたのよ」

「………えぇ、それは私が送ったわ…」

「そう、ならいいわ
 時期にジンが迎えに行くわ
 かぼちゃの馬車が迎えに来るから待ってることね、シンデレラ」

「シンデレラは、私じゃなくて“彼女”でしょ」

「そうね」


ベルモットはそれだけ返事をすると、電話切った







私は哀ちゃんを探して、観覧車を走り回っていた
哀ちゃんにはスタッフルームから入るように言っていたので、スタッフルームの方へ向かっていた


「哀ちゃん……!」


涙がこぼれてきた
ポロポロ涙が止まらなくて、私は必死に腕で拭った

その瞬間、観覧車が暗闇に包まれた


「……きた」


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