夜にふと目が覚めた
目を開くと、目の前には怪盗キッドがいた
「なんで…」
「ベランダの鍵が開いていましたよ」
「それでも入ってこないでよ……」
私は寝起きの機嫌がすこぶる悪い
上手く頭が回らない
呂律が回らない私を見て、怪盗キッドは笑っていた
「あなたに会いたかったからですよ」
「…ばか変態おとといきやがれ」
「寝起きだといつもとは違ったかわいらしさがありますね」
怪盗キッドは私のおでこにキスを落とす
「夜更かしは女性の天敵ですからね、もう帰るとしましょう」
私はベランダに向かっていく、怪盗キッドの後ろ姿をただ見ていた
しかし、何かを思い出したように足を止めて振り返った
「今日は、来てくれてありがとうございました
名探偵には気を付けてくださいね」
彼の指す名探偵が分からず、私は首を傾げた
それが今日出会った男の子だと知るのは数日後のことである