怪盗キッドの瞳に魅せられたあの日から私は彼のことばかり考えている
「はぁ…」
私はため息をついた
こんな気持ちになったのが初めてでどうしたらいいのかわからなかった
「みょうじさん、ため息なんてついてどうしたの?」
中森さんが私の机の前にしゃがみこんでいた
「中森さん……どうしたの?」
「いきなり話しかけられたらびっくりするよね…
あの……みょうじさんに相談があるの
快斗のことなんだけど…」
「……私そんなに黒羽くんと仲良くないよ」
中森さんは私のその言葉を聞いて、安心したように笑った
「良かった…
最近快斗がみょうじさんのこと気にしてるから……」
「黒羽くんは中森と付き合っていると思ってたよ、お似合いだし……」
「え!?そんなことないよ…
あの、下の名前で呼んでもいいかな?」
おそるおそる聞く中森さんに私は頷いた
「え、ほんと!?
じゃあ、私も下の名前で呼んで!」
「うん、青子ちゃん」
「青子ね、快斗のこと好きなんだ
だから、なまえちゃんに協力してほしいの!」
私は目をぱちくりした
青子ちゃんの瞳は怪盗キッドとは別の輝きをしていた
「……綺麗」
「え?」
「何でもないよ
私にできることならなんでもするよ」
「ありがとう、なまえちゃん」