俺が話しかけると、みょうじさんは驚いて目を見開いていた
眼鏡で隠された表情が少しだけ見えた気がした

「ちょっと、快斗!
みょうじさん困ってるじゃない!
ごめんね、みょうじさん」


「いえ……」


みょうじさんは挙動不審になり、突然立ち上がった
青子に謝ってから、荷物を持って、教室を出て行った


「(嫌われている……?)」

女子にこんな対応をされたのが初めてだったため、素直に悲しかった

俺は後ろの席のため、みょうじさんの様子がよく見える
嫌になるくらい、俺はみょうじさんを目で追ってしまっていた


「(昨日、例の彼女に想いを告げたばかりなのに)」


いつから俺はこんなに女ったらしになったのだろうか
俺を責めるように雨が窓に打ちつけられている

同時に2人の女子を好きになるなんて……そんなこと俺にも分かってんだよ……

俺はうんざりしてため息をついた