「(今日は微妙な天気だな…)」


俺は窓の外を眺めながら星の輝く夜に出会った彼女のことを思い出していた
あの日、名探偵とバトった後にたまたま羽休めのつもりで着地したベランダで彼女は悲しげな顔をしていた

その瞳は月明りで輝いて見えた
それは今まで見たどの宝石よりも綺麗で、美しいと思った

だから、思わず言ってしまった

「あなたの瞳は宝石、いや宇宙のように輝いている」

その時は見知らぬ彼女に一目惚れをした
それからは事あるごとに彼女の顔が頭に浮かぶ


「ちくしょー」


「何がちくしょうなの?」


「なんだ、青子か」


「なんだって何よ!青子じゃ不満なわけ!?」

青子がわめき始めて、周りもいつものが始まったと言わんばかりに俺たちを見ていた
ただ、1人はただ外を見つめていた
確か、名前はみょうじなまえ
クラスの女子が眼鏡で表情がよく見えなくて不思議、少し不気味と言っているのを聞いたことがある

そんな時、彼女の視線はクラスの女子に向いた
その女子たちは怪盗キッドについての話をしているようだ
かなりの大声で話しているため、離れている俺にも聞こえた

俺はなんとなく気になって話しかけた


「みょうじさんも怪盗キッド好きなの?」