「快斗!今日のなまえちゃん、眼鏡なしなんだよ〜!可愛いでしょ!」

「青子ちゃん…恥ずかしいからあんまり言いふらさないで…」

「私は日陰で休んでるわ」

「うん、わかった」

「ああ!青子、ロッカーに忘れ物しちゃった!快斗、なまえちゃんがナンパされないように見張ってて!」


昨日のことがあったというのに私と黒羽くんは2人っきりになってしまった
気まずい空気が流れた
すると、その気まずい沈黙を黒羽くんが破った


「みょうじさん、白似合うな」


「あ、ありがとう
紅子ちゃんのセンスだよ」


「紅子か…
昨日は悪かった
みょうじさんに好きな人いるのに…」


「気にしないで…私全然気にしていないから…!」


だから遠慮なく青子ちゃんとラブラブしていいんだよ!
私のせいで、2人の中が悪くなったらいけない!

黒羽くんは肩をがくんと下げた
私が首をかしげると、黒羽くんはため息をついた



「あのさ、名前で呼んでもいい?」


「え、いいけど」


私が返事をすると青子ちゃんがちょうど戻ってきたので、「私紅子ちゃんのところに行くね」と逃げるように去ることにした










「あら、黒羽くんはどうしたの?」


「青子ちゃんに任せたよ」


「ハァ…私がせっかく…」


「え?」


「なんでもないわ」


私はその後、黒羽くんおろか、青子ちゃんとも会わずに最終日を終えた
帰りのバスに乗り込むと、なぜか隣に黒羽くんが座った


「わ、私…」


「紅子に代われって言われたんだよ」


「え…」


青子ちゃんに悪いと思いながらも、私は黒羽くんとのおしゃべりを楽しんだ
黒羽くんは楽しくて面白い人だ
青子ちゃんが好きになるのはしょうがない


ズキンと胸が痛んだ
この感情は…何?