私は今、海に来ている
私の通う学校では、夏に学年別にキャンプに行くことになっている

友達がいない私は余りものになる予定だったが、青子ちゃんが班に入れてくれた

私と青子ちゃんと小泉さんだった
青子ちゃんの友達も一緒だったのだが、体調を崩してお休みだ

キャラの濃い人が集まりすぎて申し訳ない気分になる


「みょうじさんとは、初めましてね?
小泉紅子よ」


「あ、初めましてみょうじなまえです」


「みょうじさん、このキャンプであなたの運命が大きく変わるわ
そして、大きな選択を迫られる」


「え?」


小泉さんはそういうと、いなくなってしまった


「紅子、いつもあんな感じだから気にしないほうがいいと思うぜ」


突然背後から黒羽くんが話しかけてきたので、私は一瞬驚いたが、「分かった」と短く返事をした










夜はキャンプファイヤーをすると事前に伝えられていた
踊ってもよし、見ててもよし
大抵はカップルがイチャイチャしている

青子ちゃんは黒羽くんを連れて行って、周りの人たちから冷やかされている


「あら、みょうじさん1人?もしよければ私と踊らない?」


「え!?私、小泉さんをエスコートする自信がないよ…」


「私があなたをエスコートするわ
それと呼び方、下の名前でいいわ
私もなまえって呼ぶから」


「う、うん!」


何故か分からないが、紅子ちゃんと踊ることになってしまった私は、男子たちから全貌の眼差しで見られていた


「みょうじ、あなた黒羽くんのこと好きなの?」


「え!?私……がなんで!?」


「中森さんが黒羽くんを好きだからって遠慮しているの?」


心臓がバクバクと音をたてた
そんな私を見て、紅子ちゃんは「質問を変えるわ、好きな人っているのかしら?」と言った


「私には別に……」


え?今、何を言おうとした?
何で、怪盗キッドが頭に浮かんだの?


「ああ、顔が真っ赤ね
図星ってことかしら?」


紅子ちゃんは私の心を見透かしたように、私の頭を優しくなでた


「あなたの好きな人、当てましょうか
怪盗キッドでしょう?」