嘘と真か
私とバーボンは恋人になった
よくわからないけど、そうなったらしい

私は組織のアジトに住んでいたものの、付き合い始めて数日後、荷物を勝手にバーボンの家に運ばれて、強制引っ越しとなった
ベルモットは近くて見ていたのに、止めなかったらしい、裏切り者

「組織以外では安室透って名前だから…」

「分かった」


バーボンは意外とちゃっかりしていて、恋人になってからは振り回されっぱなしだ
私は、チョロイ女のようでバーボンの想いを受けてから、彼のことを信用してしまっている

「安室は本当に私のこと好きなの?」

「ああ、好きだよ
 疑っているのか?」


「私に近づいてくる男はみんな嘘つきだから」


「僕が君のこと好きなのは真実だ」


安室の真っ直ぐに目で見られて、ドキッとした
私は今までこんな真っ直ぐな目を向けられたことがあっただろうか


「じゃあ、安室の秘密を教えて」

安室の目つきが変わった
私は引くつもりはなかった
私は安室が私を好きということを理解した上で言っているのだ
我ながら、ずるい

「俺のこと調べたのかい?」


「少しね、でも正体は分からなかった
 でも、調べてたら定期的にある電話番号に電話をかけていることが分かったの
 その人を調べたら、公安の人間だった

 安室も公安の人間なの?」


「………」


「私は組織に言わない
 私もあなたを信じるから、私を信じて」


「そうだ、俺は公安の人間だ」


私はふぅと息を吐いた


「なまえはこのあと俺をどうする気なんだ?」


「私は、安室のことどうする気もない
 言わないって言ったでしょ」

安室の敬語は外された
こっちが本性なのかもしれない


「次はこっちからの質問だ
 なまえは何者なんだ?」

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