愛するということは
「私、貴方が嫌い
 必要最低限のことしかしゃべる気ないから、そのつもりで」


「困りましたね」

バーボンは困ったように笑った
嘘くさい、あいつもそうだ、あいつも私にいつも優しい笑顔を向けていた


「チッ」

こういう日に限って、生理が来るし、気分も悪いし体調も悪い
足元がフラフラする
誰かに代わってもらえばよかった


「バレンシアはどうして、そんなに僕が嫌いなんですか?」


「嘘くさいトコ、ライもそうだった
 いつも嘘くさかった」


すると、バーボンは顔色を変え、凄い勢いで私を壁に押し付けた
背中に痛みが走る


「……赤井秀一と一緒にするな!」


凄い剣幕で怒られた
私は生まれて初めて、怒られた
凄くびっくりしてしまって、固まる

バーボンはハッと気づいたようで、「すみません」と謝った


「…そうやって謝るトコも腹立つ」


私がバーボンにあたっただけだ
そして、バーボンの地雷を踏んでしまったらしい


「早く仕事終わらせて帰る
 バーボン、私はやっぱりあなたが嫌い
 
 私だよ、赤井秀一を殺すのは
 それだけはあなたには絶対に譲らないから」


「…!」



愛されたい
それは憎まれることでもいい
殺したいと思われることでもいい

ただ、好きな人の中でどんな存在でも、その人の中に存在できればいいのだ


私は、赤井秀一と殺し愛(合い)をしたい

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