愛されたいと思えば思うほど
「なまえはきっと愛されたいのよ、誰かに」
シェリーは私をじっと見つめて言った
私の心は透けて、シェリーには丸見えだ
「愛されたい…?」
「お姉ちゃんとライを見て、そう思ったんでしょう?羨ましいって」
「……そうなのかな」
この会話をした数日後にライがFBIだということが発覚した
明美さんとシェリーは姿を消し、ジンに聞いてもあの方の命令で話せないと言われるだけだった
それからはめちゃくちゃだった
明美さんがシェリーを逃がすために、任務をするも、成功してジンに殺されるし、私はライと明美さん全てに関わっていたから、ジンから警戒されるようになった
どうして私ばっかり
私は何もしていない
ただ、傍観していただけだ
そんな時だった、バーボンと出会ったのは
最初はあまり好きじゃなかった
ライ……赤井秀一と同じ感じがしたからだ
何度か調べたけど、バーボンの正体は分からなかった
「あら、バレンシア
あなたずいぶんバーボンについて嗅ぎまわってるみたいじゃない?」
「……信用できないから、努力してるの」
「バーボンがあなたに興味を持っていたわよ
ジンもあなたとバーボンを組ませてみたいようだから、近々仕事が一緒になるでしょうね」
「反吐が出そう」
そんな様子を見て、ベルモットは笑っていた
別に面白いことじゃないと思うんだけどと睨みながら言うと、悪びれもないようで手をひらひら振って、どこかに行ってしまった
“なまえはきっと愛されたいのよ、誰かに”
シェリーの言っていた言葉が頭を過った
愛されたい、私はライにそんな気持ちを抱いていたのだろうか
私はライを愛していた?
「私は本当にバカな女」
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