「え?アメリカに行く?」
私は朝に快斗に「今日泊まりに来いよ」と突然メールで誘われた
別に断る理由もないし、夏休みになってからはお互い忙しく、電話のやり取りだけだったので会いたいというのが本音だ
お泊まりは付き合ってから何度かはしてるので緊張感というものは消え去ってしまった
そんな中、夕ご飯を食べてすぐに私は快斗から「しばらく家を空けるから」と告げられた
「怪盗キッドの仕事?」
「まあな」
快斗からは付き合い始めた時に何故怪盗をしているのかを聞いた
それを聞かなくても聞いても、私と快斗の関係がどうにかなるなんてことはない
私はどんなことがあっても快斗のこと好きだよというと嬉しそうに笑っていた
私はあまり表情が豊かじゃないので快斗の表情を見ていると羨ましいなあと思ってしまう
「なまえ…終わった全部話すから」
「うん、わかった」
次の日、快斗を送った
去り際に合鍵を渡された
返そうとするも、気が付くと快斗の姿はなかった
俺が帰るまで預かってろということらしい
「こんなの渡さなくても私は待ってるのに」
その時、ポケットに入っていたスマホが振動し始めた
見てみると、最近頻繁にやり取りをしているコナンくんだった
私は特に推理小説に興味はなかったのだが、コナンくんに勧められて、読んでハマってしまった
『明日暇だったら博士のところに遊びに来いよ
読みたがってた父さんの新作も届いたから渡したいし』
私は江戸川コナンくんの正体を快斗から聞いた
本当の名前は工藤新一くん
少し前に私は怪盗キッドと関わるのある人間としてコナンくんの頭の中にインプットされてしまった
私の前で小学生にフリを頑張っているコナンくんを見たら、なんともいえない気持ちになったので、私は正体を知っていることを告げた
そうしたら、今のように遠慮のない間柄に進展した
男友達なんて初めてなので、私は少しうれしかった
「いいよ」と返事をすると、時間と待ち合わせ場所の指定がきた
途中まで迎えに来てくれるあたり、紳士なんだなとどこかでくしゃみをしているかもしれない彼に微笑んだ
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