「よし!向日葵は無事なようじゃな!」


「1、2、3、4、5、6……おかしい
 6枚しかない!」


「本当だ、1枚足りない!」


「一体どういうことじゃ!」


向日葵が足りない?
守りきれなかったの、快斗が悪者になってまで、必死に守ろうとしていたのに
これじゃ、犯人の思惑通りだ


“治郎吉おじさん、向日葵は大丈夫なの?”


コナンくんはそのことに気づいて戻ったのかもしれない



「2枚目の向日葵……芦屋の向日葵が届いておらん!
 何故じゃ……何故芦屋の向日葵だけ…」


すると突然、通信機から《ご安心ください》と声が聞こえて来た


「その声は工藤新一か!?」


快斗じゃない、きっと新一くん本人だ


《先程、芦屋の向日葵は無事、防火防水ケースに入れました》


「またお前か!でしゃばりがって!」


《まあそういわずに聞いてください
 皆さんの中にいる裏切り者の『ユダ』から5枚目の向日葵と芦屋の向日葵を守ったんですから…》


新一くんと快斗が守ったんだ
良かった
ホッと胸をなでおろした新一くんは向日葵を守って、犯人の正体を突きとめたんだ


「我々の中に裏切り者がいるはずがない…」


「ああ、みんな一生懸命に向日葵を守ってきた仲間だ」


「そうね……裏切り者を暗示させたのは怪盗キッド
 あんな泥棒の言うことを信じるなんておかしな話だわ」


快斗がこんな嘘をつくはずがない
『ユダ』はこの中に絶対いるんだ


「そうですよ
 今は向日葵が無事だったことを喜ぶべきだと思います」


《本当ですか?宮台なつみさん》


「え」


私は驚いて、なつみさんの方を見た
なつみさんは明らかに動揺していた

瞳の奥が揺れていた
図星だと言いたげに

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