手紙を見ると向日葵のイラストが描いてあっただけだった
首をかしげているとコナンくんが私の方に走ってきた


「キッドカード?」


キッドカードというキーワードに反応してチャーリーさんも駆け寄ってきた


「キッドカードなのか!」


私が黙って渡すと、チャーリーさんが「向日葵……」と呟いた


「確かお前はキッドが化けていた警備員と接触していたな」


「え?は、はい」


「チャーリーさん、これは多分予告状じゃなくてなまえ姉ちゃんへ送られたものだと思うよ」


「どういうことだ!?」


チャーリーさんが私を睨む
私は驚いて、思わず一歩下がった
それを見てコナンくんはにっこり笑いながら、続けた


「なまえ姉ちゃんはキッドの“お気に入り”だからね」


コナンくん!?
なんで私とキッドの関係を暴露するの!?
まだ恋人何て言われなかったからいいけど…!


「キッドの仲間とかじゃないから安心していいよ
 でも、キッドがなまえ姉ちゃんの前に現れるかもしれないから、見張ってた方が良いかもね」


チャーリーさんの視線がますます鋭くなった
ひい!と私は思わず、声を上げてしまった


「名前は、なまえと言ったか」


「は、はい!」


「キッドキラー
 彼女の見張りは俺がやろう」


コナンくんが「勿論」と笑顔で答える
私は大きなため息をついた


「あの、私今日帰れないようだったら、親に連絡したいんですけど……」


「ああ…構わない」


チャーリーさんから了承を得て、スマホを鞄から取り出して、電話番号を打ち込んでいく
それは家の電話ではなく、快斗の携帯番号だ
もしものために覚えていた

そもそも今日は家に親がいないので連絡する必要がない
する必要があるとしたら、快斗だけだ


「もしもし、お母さん?
 私、なまえだけど」



“快斗、今回は私、コナンくんに捕まる気がしてる
 あとチャーリーさん”


“それはありそうだな”


“だから、捕まっちゃった時に快斗に連絡する
 電話の時は、私が喋るまで喋らないでほしいんだ、そして私が快斗を別の人の名前で呼んだ時にその人の声で返事をしてほしい
コナンくんなら、スピーカーで喋ろっていうかもしれないし…念には念をね”


“分かった”


怪盗キッドは声も姿も自由自在だと聞いたことがあった
実際はやってもらったことがないので、よくわからない


《あら、なまえ
 どうしたの?》


お母さんにそっくりすぎる声に驚いて声をあげそうになった
快斗は本当にすごい


「私、今日友達の家に泊まるから」


《分かったわ、また後でね〜!》


後で?と聞き返そうとすると、電話は切られてしまった
快斗はまだ何かをするつもりだ


「2人とも!下に一度戻ろう」


コナンくんの提案に頷き、元来た道を戻っていく
その時はずっと、コナンくんとチャーリーさんに挟まれた状態だった

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