石嶺さんの指示で向日葵が梱包されていく
黙って見ていると、なつみさんたちも手伝い始めた

警備員さんが手伝おうとしたら、チームの人たちだけでやると断られていた
その時、警備員さんのポケットからハンカチが落ちたのが見えた


「あの、落ちましたよ」


「あ、ありがとうございます」


「いえ…」


コナンくんの隣に戻るとちょうど、ふたを被せようとしていたところだった
突然コナンくんが「待って!ふたの裏に何かついてる!キッドカードみたいなものが…!」と声を上げた


「まことか、小童!
 石嶺、ふたの裏を見るんじゃ!」


石嶺さんの指示でふたを上げるとキッドカードが付いていた
近くにいたなつみさんが素早くキッドカードをとった


「カードです!
 これってまさか…!」


中森警部が慌てて駆け寄り、なつみさんからキッドカードを受け取った


「間違いねぇ、キッドカードだ」


カードには『向日葵は確かに受け取った 怪盗キッド』と書かれていた
向日葵は目の前にあるのにどうやって?
何かがおかしい


キッドは予告時刻を破ったことなんてないのに
これは快斗じゃなくて、犯人の仕業?


なつみさんが鑑定すると「偽物であれば、非常に精巧に作られています」と言った
なつみさんが自社での鑑定を提案すると、「その必要はありませんよ、館長」と聞き覚えのある声がした

警備員の人がにやりと笑って、カードを見せた


「それは、キッドカード!」


警備員さんに化けていたらしい
キッドはモニターにトランプ銃を撃って破壊した
煙があたりを包んで視界が悪くなった

辛うじて、見えたのはキッドがワイヤーのようなものでなつみさんと東さんを拘束したところだった
コナンくんとチャーリーさんがキッドを追って、部屋を飛び出す
私も、2人を追って部屋を出た


階段をのぼりつめると屋上に着いた
屋上の高い位置に立つキッドがヘリの光で照らされる
キッドが不敵に笑い、指をパチンと鳴らす

すると、キッドの背後から煙が勢いよく飛び出していく


「まずい!逃げられる!」


「ヤツはどこだ!?」


「無理だよ、もう……」


「何て奴だ……予告通り、夜に盗みやがった」


ふとポケットに違和感を感じて、見るとキッドカードが入っていた


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