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街に出ると、ラッシュバレーのガーフィールの店に電話をしたらしいエドワードたちと丁度良く再会した。
そしてウィンリィの安否を尋ねてみたのだが。

「キショいって言われた」


…………。


「まぁ普段がああだからね。信用無さそうだわ」

「お前どつくぞ?」

結論から言うと、ウィンリィは無事だった。
人造人間たちにはまだ手を出されてはいないらしく、至って普段通りな様子で会話を交わしたらしい。
その際、普段電話すること自体が珍し過ぎるエドワードに心配されたことに、『気色悪い』発言をしたのだそうだ。

「んで、その直後にリン……グリードに会った」

グリードはエドワードたちを尾行していたらしい。
だがそれは父の命令ではなく、まだ彼の中で生きているリンからの頼み。

「これをランファンに渡してくれって…」

エドワードは右手に握っていた布を見せた。
そこには、リンからランファンへのメッセージらしい、シン語の文字が書かれている。

「何て書いてあんの?」

「わかんねぇ。グリードも知らないって」

「……そっか」

そう、リンはまだ生きている。
グリードに身体を譲ったわけではない。
彼のことだ、隙あらばグリードを乗っ取り人造人間の力を奪ってやろうと虎視眈々なのだろう。

いつか必ず帰ってくる。
そう信じるしかない。

(ランファンが知ったら…大変だろうなぁ)

彼女の性格からして、責めるのはエドワードたちではなく自分自身だろう。
じっとしていられない、と重傷者のくせに動き出してしまいそうだ。
その様が容易に想像出来て、クライサは苦笑した。











アルフォンスはメイの治療のためにノックスの元を訪ね、クライサはエドワードと共に、スカーとの戦闘の際に破壊した通りの復旧に向かった。
そこで憲兵から聞いた話によると、エドワードたちが地下にいた頃、街の錬金術師たちも彼らと同じく術を使えなくなっていたのだそうだ。

それなのに、スカーとメイは術を使っていた。
それは何故か?
エドワードたちとは違う系統の錬金術なのか(そういえば、シンのほうでは錬丹術と呼ぶのだった)。

考え事をするにも、疲れきった状態ではろくな案も生まれやしない。
とりあえずは体を休めよう、とホテルへ向かった。









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