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「まーだリンは人造人間を捕まえられないのかねぇ」

汽車の整備工場らしき、広い場所でスカーと対峙しながら、クライサはポツリと漏らした。
横に立つアルフォンスが、本当だよねと言うように頷くが、やはり信号弾は上がらない。

暫く時間稼ぎをしていると、エドワードが追い付いてきた。
ウィンリィは憲兵隊に保護してもらっているらしい。

さて、仕切り直しだ。
気持ちを入れ換えた彼らだが、その耳に何やら声が聞こえてきた。

「み、つ、け、たぁ!!」

ズン、と大きな音を上げて巨体が落ちてくる。
黒い服を身につけた、丸々とした人らしきもの。
アルフォンスが、人造人間、と声を上げた。

人造人間ーーグラトニーは、スカーを倒すべく彼と戦闘を始めるが、クライサたちもそれを傍観してはいられない。

「リンの奴、『先回りして捕まえる』だなんてほざきやがって…」

「ったく、何やってんのさアイツは!!」

エドワードとクライサが彼らに向かって駆け出したその時、目の前でマンホールの蓋が弾け飛んだ。
地下から姿を現し、宙を舞うのは愛用の剣を口にくわえたリン。
彼は手榴弾のピンを抜くと、それをグラトニーの口の中、喉の奥に無理矢理突っ込んだ。

「伏せロ!!」

それを飲み込んだのを確認すると、エドワードたちに向かってリンは叫ぶ。
声に従い素早く身を屈めた彼らの前で、グラトニーの身体が内側から爆発した。
飛び散る血や肉片。
地に落ちた顎や腕は瞬時に灰になっていき、頭から胸の辺りまでバラバラに飛び散った身体は、すぐに再生が始まる。
しかし、それを黙って見ているわけにはいかない。

「頑丈なワイヤー!!」

「あいよ!」

リンの言葉に、素早く反応したクライサが行動に移った。
近くのレールに手を当て、そこから長く太いワイヤーを錬成する。
リンはそれを受け取ると、グラトニーが完全に再生する前に、素早く全身に巻き付けた。
再生によって内側から盛り上がる自分の肉で、ボンレスハムよろしく自らワイヤーに絞め付けられるというわけだ。
再生力の高さを逆手にとられ、グラトニーは完全に体の自由を奪われた。

「捕ったぞ人造人間!!」









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