待ち受け




今日は部活がなくて暇らしく、幼なじみの周助がケーキを持って遊びにきた。

紅茶の準備をして自分の部屋に戻るとベットに座って人の携帯をいじる周助の姿があった。



「…なにしてるの?」
「あ、はやかったね。もちろんつぐみの携帯チェックだよ」

周助はさも当たり前かのように、語尾に☆がつきそうな勢いで言い放った。てめーは彼氏かっ!と周助の手元から携帯を奪い取る。


「男の子とメールしてないみたいだから良かったよ。でも、あの待ち受けは…何?」
「え、いや、その…なに?趣味?」
「ふーん、つぐみは趣味で越前が腹チラしてる写メを待ち受けにするんだ?そう、趣味なんだ」


周助から黒いオーラが見える。どうして、ちょっと怒ってない?越前くんの写メを待ち受けにしてる子なんていっぱいいるでしょ!


「そう趣味!腹チラがすごく好きで!好きで!」

黒いオーラが怖くて、越前リョーマのファンと言えず、なぜか言い訳をしてしまった。ああ、越前くんファンとしてどうなの…


「そう。"腹チラがいい"んだね。だったらそう言えば良いのに。僕のを待ち受けにしなよ」
「…は?」

周助が立ち上がって、潔く鮮やかに上着を脱ぎ捨てた。

「ちょ、何脱いでるの!?しかもそれ腹チラで もなんでもない!」

「あ、下も脱いだ方が良い?パンツをギリギリまで下ろして見えそうで見えないっていうのも良いかも。」
「いや、いい!いらないから!」
「そう?残念だな。じゃあ、はやく撮ったら?」






「……はい」

ピロリン

いらないとは言えず、仕方なく上半身裸の周助の写メを撮った。すごく…キメ顔です…悔しいけど、すごく…かっこいいです…


「携帯貸して?」
「…ヤダ」
「貸して?」
「NO!」
「じゃあ、今ここで襲っ『どうぞ!』チッ」


慣れた手つきで私の携帯を触る。慣れすぎていて、携帯チェックするのは今日が初めてじゃないんじゃないかと思う。いや初めてじゃないね!これは!


「はい、ありがと」

返ってきた携帯は、待ち受けがさっき撮った上半身裸の周助の写メに「LOVE」というスタンプが押されたやつになっていた。


「越前のやつは消しておいたから」
「!?(あれ撮るの大変だったのに…)」
「なに?ショックなの?だったら僕の体で慰めて『ショックじゃないです!』そう?まあ、僕の写メあるからね。さあケーキ食べよう?」








「どう?姉さんの作ったケーキ?」
「すばらしくおいしいです」
「良かった。」
「ねえ、」
「ん?」
「いつまで裸なの?」
「なに、気になる?クス、僕が食べ終わるまで待ってね。」
「お母さああああん!お父さああああん!はやく帰ってきてえええええええええ!」



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