☆side→ユウ



「君、名前は?隠しても無駄だぞ。制服から学校は割れてるんだからな」


 まったく随分と香水臭いお巡りさんだこと。


 学校をサボってまで巻き込まれた合コン。

 ようやく抜け出して町をうろついていたら、見事に補導されてしまった。


ユウ
「白幡悠莉。はい、名乗ったよお巡りさん」

警官
「まったく、こんな時間に何してるんだ。昼間とは言ってもこんな繁華街を女子高生が一人でうろついちゃ危ないだろう」

ユウ
「はーい、ごめんなさい。ちょっと体調悪くて早退しただけだったんですけどー」

警官
「まあいい、とにかく不信な物が無いかだけチェックさせてもらうよ。最近この辺りで良からぬ噂があるからね」

ユウ
「えー?荷物検査ー?」


 ここで刃向っても不信感を煽るだけだし、仕方なく鞄を開いて見せた。


ユウ
「あんま触んないでね」


 そこいらの不審者よりよっぽど怪しいんだよねこの警官。

 アタシの鞄の中身を確認する目つきが気持ち悪いっつーか…。


??
「お巡りさーん!不審者発見したんだけどー!!」


ユウ
「!?」

警官?
「!!」


 真昼間の繁華街に響く聞き覚えのある声。

 その声に過剰に反応して顔を上げたのは、目の前に居る警官の恰好をした香水臭いオヤジだ。


(え?マジでコイツがヤバい奴だったり?)


 これはマズイ。

 なんとか荷物を取り返して逃げなくちゃ。



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