昼下がりの暖かな日差しが窓から降り注ぐ廊下を、金色の髪を揺らしながら、先輩に引っ張られていく。

 そんな後ろ姿を見送りながら、呆然と立ち尽くしていた。



 早く資料を運んでしまわないと、お昼休みが終わっちゃうのに…頭ではわかっていても、体が言うことを聞いてくれない。



??
「南さん!」

夏樹
「!!」



 背後から、不意に呼ばれて振り返る。

 振り返った視線の先…そこには、他クラスの女子が3人…。

 見たことある人たち…。



(あ…ヤスのファンの皆さん…?)






 ヤスは人気者だ。


 見た目も良いし、人当たりも良いから、ヤスを嫌いだと言う人を見たことが無い。

 いつも一緒に居るわたしを、少なからず疎ましく思う人だって居ないこともないけど…わたしがあまりにもトロイ性格だからか、ヤスがわたしを甲斐甲斐しく世話しているようにも、見えなくもないらしい…。


(だから今まで、特に事件も無かったんだけど…)


 今わたしの目の前にいる3人は、確かファンクラブなんてものを作っていて…ヤスに近づく女子を、選別したりしてるって聞いたことがある。




 ということは…わたしを選別しに来たのかな…?




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