☆side→夏樹



 新しいクラスはつまらない。

 今まで仲の良かった友達とも、ヤスとも別になっちゃって…すでにグループは固まってるし、その中に入っていけないし、いつの間にか、学級委員になっちゃってるし…


(わたしって…どうしてこんなにトロいんだろう…)


 とにかく今日も憂鬱。

 2年生になってから学校が辛い。


(今日もまだ、楽しいことが一個もないし…)



 せっかく、ヤスとゆっくりお昼でも食べようと思ってたのに…担任に呼び出されて、大量の資料を運ばされるハメになっている。

 そんな今の自分が、堪らなく嫌。



(っていうかこんなに沢山、一人で運ぶなんて…)



 両腕だけでは溢れてしまいそうな荷物を抱え、その重さと孤独感で泣きたくなってくる。



(もう帰りたいよ…)



 そんなことを思いながら、顔を上げたその視線の先に、3年生に廊下をひっぱっていかれるヤスの姿を見つけてしまった。


夏樹
「…」


 また告られるのかな…?

 ヤスは人気者だもんね…。

 てか、今週で何人目だろ…?



(あぁ…なんかダメ…)




 両腕にのし掛かる重さと目の前の光景に、足が止まってしまった。




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