どこが好きかって問われたら、全部好きと答える。
なんで好きかって問われたら、理由なんて無いと答える。
ただ、好きで。好きで、好きで、しかたないだけだから。
これは恋と言うよりも、新手の宗教のようだと自分自身思っている。 なぜか、彼女に対しては果てしなく盲目になれる気がするんだ。
だけど、名前は違う意味で盲目であって。ただ暗い、何もないところにいるというのに、外の明るさを知らないから何も感じないかのような、そんな、危うい無邪気さを持っている。
無邪気で、無垢で。
自分の産まれた場所も知らないような。 そんな 真っ白な彼女に、俺は惚れた。 自分には無い 純な姿に、堕ちた。
「名前、俺はお前が好きだぜ」
「そっか! 私もベクターが好きだよー!」
そう笑顔を作って抱き着いてくる彼女が愛しすぎて、俺は何度も「好き」を重ねる。
「言い過ぎだよー」 と、名前は苦笑するが、そんな表情もやっぱり可愛くて、俺は彼女の華奢な身体を抱き締めた。
「ずっと一緒にいようね!」
その言葉が何を示しているのか、きっと名前は分かっていない。 だけど、彼女に溺れすぎた俺は、バカみたいに天然な名前に諭すことはない。
だってよ、彼女が何であっても、誰であっても、結局俺は好きなんだ。 彼女がずっと。彼女だけをずっと、好きなんだ。
「名前、可愛い」
「えー!ベクターも可愛いよー」
「そっか、ありがとな」
「いえいえ。こちらこそ」
すごくくだらなくて、バカみたいな会話だけど、俺はそれが楽しくてしかたない。
こんな会話だけでドキドキする自分を感じる度に、名前にベタ惚れなんだって実感する。 好きすぎる。
小さな口も、白い肌も、血色のいい頬も。細長い指も、滑らかな髪も、優しく揺れる声も。
全部、全部。
名前の全てが好きだ。
「ずっと一緒にいようね!」
彼女の言葉を頭の中で響かせる。 何度も流して、噛み締める。
そうして俺は、名前を抱き締める腕に力を込めた。
「ずっと、一緒にいようぜ」
君のためならば死ねるけど、出来れば、最後まで名前の隣にいたい。
そんなことを言っても、名前はきっと理解しないから、俺は小さくそう言った。
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悠久時計のアキ様から頂きました!
天然夢主にベタ惚れなベクターという凄く曖昧なものをリクエストをしたのにも関わらず!!こんなに!!!素敵な物を!!!頂きました*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
ヒョエエエエ何度みてもキュンキュンします…!ありがとうございました!
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