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「わっわあああ!綺麗!」

王子に連れてこられた庭に行くと綺麗に整備された花や木が一面に咲いていた。こんなに沢山の花をみるのは初めてで、つい大きな声を上げてはしゃいでしまった。ハッと我に帰り後ろにいる王子の顔を伺うと凄く口元が緩んでいて、嬉しそうに笑っていた。

「あ、えっと…」

「やっと素がでましたね!」

「素…なんかじゃありません!少し取り乱しただけです!」

「フフッ」

「笑わないでくださいっ」

私とした事が素が出てしまった。
姉の様に優しく凛としていようと決めていたのにこんなにも早くボロがでてしまうとは。
…でも本当はもっとはしゃぎたい。花を積んで遊びたい。

「もっとはしゃいでいいんですよ」

「え?」

「僕知ってるんです!貴方は本当はお転婆で、それで泣き虫だって事」

「!?」

「大人の目を盗んで高い木に登ったり、家臣達にワガママ言ったり、隠れてこっそり泣いたり」

「!?!?なっなんで、」



まるで私の幼い頃を監視していたかのようにズバリと言い当てられ動揺が隠せない。
そして何より自分が今1番言って欲しかった言葉を言われたのが1番の驚きだ。
あわあわと焦る私に王子はニッコリと笑い、
「だから、もっと前のようにはしゃいでください」
と言った。



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