「真月君は、紫陽花みたいだね」

「そうですか?良く向日葵みたいだと言われますけどそれは初めて言われました!」

「これ、良かったら受け取って」

「わっ紫陽花!ありがとうございます!」


放課後の図書館で私は真月に紫陽花の小さな花束をあげた。
何故花束をあげたのかというと昨日の夜、真月に誕生日はいつかと聞いたら明日と言ったので急遽うちの庭に咲いていた紫陽花を綺麗にラッピングして渡した。紫陽花は私の好きな花だ。

「あ、確か名前さんって何時も花言葉の本読んでますよね!紫陽花ってどんな意味なんですか?」

「『貴方は冷淡だ』」

「え…っと…僕、そんな風に見られてたんですか…」

「えっ?あー、紫陽花って雨で嫌な日でも見ると和まない?なんか真月って見てると和むから紫陽花と似てるって思って」

「!!嬉しいです!ありがとうございます!」

「いえいえ、さっ雨も酷いしもう帰ろうか」

「あの、名前さん手繋いでいいですか?」

「はい、」

「あの、僕、名前さんの事…」







「今日は雨が凄い…」
ザアザアと音を出して一向にやむ気配がない雨を図書館で1人眺めていると、今日があの日と重なってつい思い出してしまった。
真月が消えてから随分と日がたった。
なんで真月が消えたのか遊馬から話を聞いたのだが話がぶっ飛んでいてバリアンだの世界がどうとか、何が何だかわからないし、あの真月が裏切ったなんて今でも信じられない。

「私に好きって言ったのも、嘘か…」

「嘘じゃねぇよ」

「!」

「このベクター様が態々迎えにきてやったぜェ名前さぁん」

「しん、げつ…?」

耳元からいきなり聞こえた声に反応して後ろを振り向くとニヒルに笑う真月がいつのまにか立っていた。
前と明らかに雰囲気が違っていて服だって表情だって違う。違い過ぎて目を惹かれる所は沢山あるのに何故だか私は真月の左手にある黄色い水仙に目を惹かれた。

「その花…」

「花オタクのてめぇならこれの意味わかるだろォ?」






「『もう1度、愛して』」



私はあの日のように真月の手を取ると真月は満足そうに笑った。



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巫女宮様リクエストで花言葉に詳しい主人公がベクターに告白される切甘でした!
切…甘…になっているでしょうかそして文がごたごたしてますね!!
どうだったでしょうか!
リクエストありがとうございました( ´ ▽ ` )
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