「名前さ…ぐふっ!!」

「きゃーっ!!」

誰かに後ろから抱きしめられた。反射で後ろにいる人に肘でおもいっきり殴ったら丁度お腹の辺りに当たったらしい。凄い声が聞こえたもの。
肘つきにより緩んだ腕から逃れるようにして後ろを振り返ると見慣れたオレンジ色の髪の少年がお腹を押さえてゲホゲホと咳をしていた。

「ベクタ…?」

「てめぇ…」

「わあベクターごめん!!」

ベクターはいつもの黒い服じゃなくて白と赤の制服というものに身を包んでいた。
時間帯からすると学校の帰りだろうか?だとすると九十九遊馬は…。あぁあれか、“真月零”に「またなー」なんて言って遠くから呑気に手を振ってる。
ベクターもベクターで真月モードで「はいっ!遊馬君また明日っ」って言ってスマイル100%。
九十九遊馬の姿が見えなくなるとベクターはチッと舌打ちをして私の方をみた。

「なんだよ」

「いやぁ、真月零くん可愛いなあって思って」

「本当ですか!?僕すっごく嬉しいです名前さんっ」

「可愛いっ!…わっ」


可愛いくてついベクターを抱きしめてしまった。母性本能というやつだろうか?いつもならこんな事頼まれてもしないけど真月ならそれもやってあげたくなってしまう。
そう思って抱きしめたのだが、するんじゃなかったと頭に過る。
逆にベクターに凄い力で抱きしめられ、身動きが取れなくなってしまったのだ。

「俺には抱きつかねえくせに真月には抱きつくのかよ。あ〜あ〜俺はこーんなに名前が好きなのになぁあ?」

「だって真月素直で可愛いもん。」

「俺は嘘つきで可愛くないってか」

「でも大好きなのはベクターだよ」

「アァ?どっちだよ」

「嘘つきでもベクターの方が真月より好き!」

そう言うとベクターは珍しく照れた様に私から目を逸らした。
なんだ、可愛い所もあるんじゃないか。と少し頬が緩んだ。





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まゆ様リクエストで真月姿のベクターでした!
真月も可愛いけど嘘つきベクターの方が大好きだよって面と向かって言われて少し恥ずか嬉しいベクターのお話でした!

リクエストありがとうございました!
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