ずっと好き
ちゅっと鳴るリップ音
ジンくんはよく私の手の甲にキスをする。手の甲へのキスは尊敬という意味というらしいが、私を尊敬しているのだろうか、ううんあり得ない。
でもなんだかジンくんに手を取られて手の甲にキスをされるとドラマや映画のお姫様になったような気分になる。今だに慣れる事はなく毎回顔に熱が集中してしまうのだ。
それをみたジンくんは目を細めて優しく笑い、愛おしそうに私の頬に手をあてる。
「君に出逢えてよかった」
「な、なんですか急に…」
「今、凄く幸せなんだ」
ジンくんと出会ったのは4年前、ディレクターの騒動の時だ。その時はまさか私とジンくんがこんな親しい関係になるとは全く想像していなかった。
昔の私は病弱で体調が悪くなるとジンくんは私が落ち着くまでずっと側にいてくれた。今思うとこの辺りからジンくんは私に好意を寄せていたのだろう私は筋金入りの鈍感なので全く気がつかなかったが。
「ジンくん」
「?」
「私の事好きになってくれてありがとう」
精一杯背伸びしてジンくんの口元にキスをした。
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