「ヒカルヒカル、」
「ん…」
「ヒカル起きて〜〜〜〜ヒカル〜〜〜〜」
「カナトうるさい………」
「え〜〜〜〜」
「…………」
寝ぼける頭で考えてみたのだがなぜカナトの声がするのか、夢か、夢にまでカナトがてでくるとはどれだけカナトの事を考えているのだと思ったが、悪い気分ではないのでそのまま寝てしまおう 。いや、寝ているから夢をみているのか。なんて考えて布団の中でもぞもぞ寝返りを打ち横になる。
「ヒカル…」
「……!?」
耳元で今まで聞いたことないなんかこう、囁くようなとてもそそられる声で自分の名前を呼ばれた事により寝ぼけていた脳が一気に覚醒し片耳を押さえて飛び上がるように起き上がった。
「な、なんでここにいるんだ…男子寮だぞ…」
「やっと起きた!あのね怖い夢みたからここで寝かせて」
「馬鹿か、見つかったらどうするんだ」
「まあまあそう言わずに私床で寝るから」
そう言ったカナトの手には持参してきたのだろう枕と大きめのブランケット。
寒くないのかこいつ。「おい、」
と声をかけたが寝転がって数秒でカナトは規則正しい寝息をたてすやすやと既に寝ていた。
床で寝るのは痛くないだろうか、本人は床で寝ると言っていたが心配になってしまい結局起こさないように抱き上げ自分のベッドにのせてしまった。やはり狭いな。
「ハア、」
溜息をついて眠りについた。
「うおっ!?」
朝珍しく僕より早く起きたアラタがこちらをみて驚いていたのは言うまでもない。