※それはきっと好きだからの続き




寮の門を出た辺りで背中をボンッと押され、前に少しよろめいた。
朝からこんな事するテンションの奴はアラタしかいない。起こさなかった腹癒せか、そう瞬時に思った僕は態勢を整えた後に振り向き様に「アラタッ!」と口に出したのだが、振り向いた先にいたのは見慣れた同室のアラタでは無く、何故ここにいるのかと思う人物だった。

「おはよう、やっと来たよ!ヒカル!」

「カナト、なっ…んでここに…」

「ぱんぱかぱーん!大会3回優勝したので今日から私は神威大門の生徒なのです」

「仕事は、」

「活動休止」

昔から思っていた事だがカナトの行動力は異常だと再確認し左手を額にあてて溜息をつく。
すると寮の玄関からわたわたと走ってくると共に「ヒカルなんで起こしてくれなかったんだよ!」と大きな声が聞こえてきて更に溜息が深くなる。

「君が起きないからだろ」
「同室なんだから起こしてくれてもいーじゃん…ん?」
「おはようございます、今日からジェノックに配属になります杏ノ木カナトです」

「おー!同じ仮想国か!俺瀬名アラタよろしくな!……ヒカル知り合いなの?」
「幼馴染」
「ふーん…ていうかどっかで見たことあるな、会ったことなかったっけ?」

「(テレビだろ)いいから早く、遅刻するぞ」

うーんと顎に手をあてて考えるアラタを置いて学校へ向かった。
いつもの通学路なのに隣にいる人物が違うだけでこんなに楽しいものなのか。

「不思議だ」
柄にも無くフフッと笑ってしまった。








教室がどよめくまであと20分。
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