見せたかったのは


「あ」
「何?」

まだ私がおひさま園で暮らしていた頃瞳子ねえさんに頼まれたお使いに行く途中ヒロトがすれ違った大人の女の人を後ろを振り向いてまで目で追っていた。知り合いなのかな。なんだか余り気分がよくない。

「知り合い?」
「知らない人だよ、でも凄く髪の毛長くて綺麗だなって思って」

自分の肩までしかない髪の毛を見て、むうっと頬を膨らませた。そうか、ヒロトは髪の毛が長いのが好みなのか…。

「きっと輝髪の毛長いの似合うよ!リボンとか付けたら可愛いと思うな、」

(…髪伸ばそう…伸ばして、ヒロトに見せよう)













「輝髪の毛伸ばしたんだ、俺の思った通り凄くにあってる。」

陽花戸中で雷門の前に現れたのはエイリア学園マスターランク、ジェネシスのキャプテン、グランと名乗るヒロトの姿だった。何その変な格好。
ヒロトは私の姿を見るなり私に近寄ってきて長くなった私の髪の毛を優しく撫でるように触った。

「やだ…触らないで!!」
「!」
「貴方…誰、」
「嘘、俺のこと忘れちゃった?」



違うよ、私が知ってるヒロトは


こんな目じゃないの


私が会いたかったのは


貴方じゃないわ


「全部無駄だったじゃない」


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