「W今日…Wの部屋、行っていい?」
好きな人が照れながら言った一言に、俺の心臓は有り得ないぐらい飛び跳ねた。
「きゃあっネクロドールちゃん可愛い!」
その時の俺を殴ってやりたい。そして俺のピュアな心を返せ。俺とココは所謂幼なじみという関係。昔はよく遊んでいたが最近ではその回数はめっぽう減っていた。学校でも話しかけるなとキツく言われていたが珍しくあっちから声を掛けてきたので密かにテンションhighになっていたのに俺の部屋に入り2人っきりになった途端これだ。俺には全く見向きもしない。
ココは昔から俺のデッキに入っているギミックパペットネクロドールを好いているようで、よくこうゆう風に俺に召喚しろと言ってくる。
「可愛いなあ」
「…」
喜ぶココを横に胡座をかいて肘をついている俺。
さっきも言ったがココはARビジョンに映し出されたネクロドールばっかり見ていて俺には見向きもしない。
「なあ」
「何?」
返事はしたものの目線はそのままネクロドール。ネクロドールに俺は完敗したのか…
「今は俺が喋ってんだよネクロドールじゃなくて俺を見ろよ」
「イヤ」
「じゃあそのカードやるから帰れよ。そしたら俺の部屋にくる必要性ないだろ」
「イヤ!ネクロドールちゃんを理由にしてWの部屋に転がり込んでるのに貰ったら…」
…貰ったら会えないじゃないと俯いた。
そんなに可愛く言われたら俺の理性はぶっとぶしかない。