俺が初めて好きになった人は自分より年下だった。
年下といっても対して差はないのだが、やはり回りからはよく珍しがられた。
年齢相応、背も小さければ未発達の体型、性格もまだまだ子供っぽい。
そんな子供らしい素直な所に俺はひかれたのだが、本人は俺と釣り合わないとよく気を落としている。
「早く成長したい」
「ココはそのままでいい」
「だってカイトさんに釣り合わない」
「周囲の意見はどうでもいい、俺は今のココだからひかれたんだ」
いつものようにそう言うと毎回ココは安心したような顔をして頬を染めてにっこり笑う。
その笑顔をみると俺も無意識に口角が上がるんだ。
"好きな人が笑ってると自分も嬉しくなる"というのは余り信じてなく、馬鹿馬鹿しいとまで思っていたが、今はまんざらでもないと思っている。
ココが笑うと嬉しいのだ。
「ココはずっとそのままで、」
「え?」
「なんでもない」
お前はずっとそのままで、
俺の隣で笑っていてくれ。