街で偶々会った少年に私は恋をしてしまいました。
彼の名前はミザエルと言うらしい。
凄く綺麗な金髪で顔も整っている。言葉使いもどこか品があって、何処かの偉い人何じゃないかと思わせるような人だった。
ほんの数分前、私が街を歩いていると、エクシーズで初めて見るカードをもった柄の悪い男に因縁付けられてしまい、困っていた時に彼は現れた。
気付いたら男は倒れていて、ミザエルさんは尻もちついていた私に手を差し出していた。
困っている時にかっこいい人に助けられて、手を差し出されて恋に落ちるなんでどこかで読んだベタな少女漫画みたい。
それでもそんな出会いに私の心臓と思考回路は高速運転。
「怪我はないか」
「えっあ、あのえっと…」
「まあいい…怪我がないのなら用はない」
「あっ。ちょ、ちょっとまって!」
その場から立ち去ろうとした彼はとても不服そうな顔をしていて、引き止めたのがとても申し訳なくなってしまったが、これだけは聞いておかねばと必死になって呼び止めた。
「お名前は…」
「ミザエルだ」
ミザエルさんは名前を言うとそれ以外一言も言わずその場を立ち去った。
その場に残された私はただただ顔を赤くさせてその場に座り込む事しかできなかった。