「…ふぁ…ぁ」
息が出来なくて、酸素が欲しくて私は私は必死にベクターの胸元を叩いた。
いつもなら私が苦しそうな素ぶりを見せると口を放して私に酸素をくれるのに今日は中々辞めてくれなかったのだ。
「ベク、タ、苦し…」
やっと放してもらえた時の私の情けない第一声。
ホントに苦しくて本気で訴えた言葉はベクターからするとどうやら楚々られるものだったようで、ベクターは満足そうにニヤリと笑い、自分の唇をペロッと舐めた。
「昨日キスの日だったのに昨日は出来なかったからなァ?」
「昨日もしたよ!」
「したりねーんだよ。オイ、もうそろそろ良いだろ」
「何が…んっ」
質問をする前にその言葉はベクターの口によって遮られてしまった。
いつまでたっても止まないキスの嵐はいつになったら止むのだろうか。
苦しいのは嫌だけどベクターにされるキスは大好き。満更でもないと思ってる自分が居るんだなと心の中で苦笑して私はベクターの首に腕を回した。
「ベクター大好き」