「よかれと思ってココの好きなお菓子を買ってきました!」
「いらない」
「どうしてですか!僕っ…折角買ってきたのに…」
「それよりその喋り方やめてくれる?なんか凄く不気味」
そう言い放つと真月零の姿をしたベクターは機嫌を損ねたようで、チッと舌打ちをした。
私の為にお菓子を買ってきてくれたのは嬉しいのだが、ホイホイ受け取るわけにはいかない。前はお菓子の缶の中にカエルが入っていた。その前は、何だったかな、嫌な記憶だったから抹消したんだわきっと。
今日は一体なにをいれたのだろうか。
「それじゃあ〜これやるよ」
「てっ手作り…!?」
らしくもない可愛らしいラッピングに包まれたいかにも手作り感丸出しのミニパンケーキ。
「嬉しいか?」
「うっ、どうせ何かまた変なものいれたりしてるんでしょっ!」
「あ〜あ〜、折角この俺が心を込めて作ったのになあ〜」
「信用ならない…ちょっと近づかないでよ、顔近い!」
「俺がどんな思いでコレくれてやったと思ってんだよ。いいかげん、気付け鈍感」
いつもの茶化したような声から一変して低くて落ち着いた声。
耳元で言われて思わずドキッとしてしまった。
「それってベクターが私のことす「お前は俺の下僕って事くらい頭の中に入れとけよお〜てな訳でさっさと食えや!!!」…」