あの日いきなり彼女は姿を消した。
自分が父に復讐の心を持っている。そう言い、泣きながら消えていく彼女に俺はなにも言うことができなかった。
あの時消えゆく彼女の手を引っ張る事ができたら、目から零れる涙を拭ってやる事ができたなら少しは何かが変わっただろうか。彼女が俺の隣から消える事は無かったかも知れない。

WDCが終わってから、随分と月日がたったが彼女は一向に姿を現さない。
オービダルに探させたりもしたが、どうしても見つからない。


遊馬やアストラルと共にこの飛行船に乗り、別の世界にいけばもしかしたらお前に会えるのか?
少しでも会える可能性があるのなら、俺は何処まででも行こう。
目をつむると「カイト」と俺の名前を呼んでニッコリ笑っている姿を思い出す。



もう一度名前を呼んでもらう為に、あの笑顔を見る為に、

俺はこのデュエルに負けるわけにはいかない。
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