「私のナンバーズ…」





ある日の昼下がり、驚くほどひとけの無い公園で私は人を待ちながら先程トロンちゃんに渡されたナンバーズを見つめる。
今は大丈夫だけれど私にはきっと扱いきれないこのナンバーズ使ったら私はミハくんと同じ道を辿るんだろう。
出来ることなら使いたくないけれどトロンちゃんの命令は絶対だし、ナンバーズ無しの私のデッキではこれから沢山現れる強敵にかなわない。
でも1つ心残りな事がある



「このカードを使ったら、カイトさんにナンバーズ使いってバレちゃうなあ…」


デュエルは初心者レベルだと言って私はカイトさんに近付いた。会うたびにデュエルを教えてくれてくれて、「その位知ってるよ」と思いながら「凄いですね!」なんて笑顔で嘘付いた。
嘘を付くたび胸が少し痛くなったけど復讐の為と自分に言い聞かせどんどんカイトさんの心の隙に入り込んだ。
それなのにこのカードを使ったらすべてが無駄になってしまう。でもトロンちゃんが考えた事だきっとなにかか考えがあっての事だろう。



後ろから足音が聞こえてきたのでカードを隠しつつ後ろを振り向いた。


「カイトさん!」
「オービダルから俺に用があると聞いた」
「いきなり呼び出してすいません。それで用なんですけど、」

私はさっき隠したカードの絵をカイトさんにわざと見せつけてニコリと笑う。


「ナンバーズ、欲しいですよねぇ…?」


このあとトロンちゃんの狙いがわかってしまった。
トロンちゃんは私を使ってカイトさんに精神的ダメージを食らわすんだ。
だって私見ちゃったんだもん。








カイトさん泣かないで。
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