懐かしい記憶が蘇る。今まで思い出さないようにずっと心の奥底にしまっていたアリトの記憶。
「アリト!こんなとこにいた!」
「げっなんでここにいんだよ!!」
あの日はアリトの姿がみえなくて必死に探していたら体育館倉庫に入っていったのを運良く発見した。
今までアリトはどこに帰ってくんだろうと不思議に思っていたが体育館倉庫が隠れ家だったのか。
「アリトに会いたくて!!」
いつも通りアリトに自分の思ったことを伝えるとその日はなんだか様子が違った。
一瞬だけど凄く悲しそうな顔をしたように思えたのだ。
「おまえなあ…」
「だってアリトがいないと寂しいんだもん」
「お前俺が居なくなったらどうするんだよ」
「アリトが?居なくなるわけないでしょ!もー変なこと言わないでよ」
アリトの事を思い出すといつも涙ぐんでしまう。あの時の私は何も知らない無知で、アリトの悩み事さえ知らなくて、ましてや別の世界からきた人ってことも知らなかった。ずっと一緒に居られると思ってた。
その時はアリトの言葉が余りピンとこなくてだから冗談やめてよって笑ってた。でも今ならわかるよアリトが思ってたこと。
大好きなアリト。貴方がいないと寂しくて。
だからまたいつか、私が死ぬまでに世界を越えて会いに来て。
「アリト、会いたい」