「W兄様!?」
「W大丈夫!?」
私とVがびっくりして声をあげた。驚くのも無理は無い。出掛けて帰ってきたと思い出迎えればWの左顔面が血まみれだったからだ。
よくみると瞼から頬にかけて十字の大きな怪我をしておりみるからに痛々しい。
「V、手当てしろ」
WがVに指示するとVは顔を青くしてヘナヘナと床に座り込んだ。きっとこうゆうの苦手なんだろうな。私も苦手なのでVの気持ちはよくわかる。
WはVの姿をみてダメだと判断したのか今度は私の方に頼んできた。
「……とりあえずココティッシュよこせ」
「ひいっこっちに傷跡見せないで!」
「顔なんだから仕方ねーだろ馬鹿やろう!!!ばーかばーか!」
Wさんそんなに元気なら大丈夫でしょ!でも血が止まらなかったり痛みだったりで本人はとても不安だろう。グロテスクなものはあまり見たくないが仕方がない。直視しないように手当てをしてあげようと試みる。
まず血が止まらないので止血をしよう。止血は確か根元をタオルとか紐とかでしめれば良かったと脳みそフル回転で思い出す。
「顔の根元…」
「考えてないで早く止血しろよ、」
「……首か!!」
ガッと首を絞めるとWが「ちげーだろこの猿!てめえ俺を殺す気か!!」と全力でブチ切れた。