なんでだっけか。
「は、あ……やめ、…!」
「止めろだと?これを望んだのは貴様だろう」
違う、違う。
こんなものは望んでない。
「う、ぁっ、ああああああっ!」
「……はあ、ぁ」
ガンッと奥を突かれ頭が真っ白になった。ナカを蝕んでいる異物を押しだそうと締め付ければ逆に熱い白濁にナカを犯される。きゅ、と眉を寄せた綺礼が熱い息を吐いていた。
「ぅ、…っく……、」
「は、気持ち良いかねなまえ」
耳元に唇を寄せ囁く声が纏わりつく。ぎゅ、とシーツを掴む手を強くすればぐぢゅりと厭な音が響いた。は、と息を吐いて綺礼を見上げれば、彼は笑っていた。
「……ど、して」
わたしを×して下さい。
確かにそう言った。嘘も偽りもなく本気でそう言ったのはわたしなのだ。
この男に×などない。
この男は×せない。
この男は×し方がわからない。
この男は―――、
「…っあ、!」
「どうしたなまえ、まさか、お前が後悔している訳ではあるまい」
「―…つ」
「全く、何年私の傍に居たと思っている。君が私に寄せる好意に気付かないかと思っていたかね」
「…あっ、ん…」
「ああ、気付いていたさ。君が私に向けるあの夢を見る乙女のような視線――」
「きれ、い…!」
実に滑稽だった。
彼はそういってわたしの体を突き上げる。もうそんな言葉、どうってことはない。だって、知っていた、知っていたのだ。この男が人を×しいと思えないことを。この男が心から×しいと思えるものを。だから、それを知った上で、わたしは、
「なまえ」
「ん、あ」
唇を奪われ吸われる。そこに×などないと分かっているのに×しいと思ってしまう。逞しい体に抱かれていると考え頭も体もどうにかなってしまった。
「まだ足りんか」
「はぁ…あ…、きれい、ん、ぁっ、」
「とんだ淫逸な娘を迎え入れてしまったものだな」
引き抜かれナカが寒くなる。熱が足りないと疼く。
ぐいと力の入らない体を引っ張られて抱き締められた。起こされた体はそのまま――…、
「ん、あぁ、あ」
「老体には堪えるのでね。自分で動くと良い」
下から突き上げられた熱にナカが満たされる。綺礼に跨がって、首に腕を回した。
「は、ふっ、あっ」
自ら快楽を求めて腰を振るなんてなんと醜い女なのだろうか。理性などもうとうの昔に消えている。ただ、綺礼が、欲しかった。
「……浅ましいな」
「うあ、はぁあんっ、ぁ」
「――…だが、」
ぐるりと綺礼の腕が腰に回る。
「その姿は実に良い」
娼婦のようだと、彼はいった。
「…ぇ…?」
「快楽を求めて腰を振っているのだろう?」
「ちが、……」
わたしは。
わたしは、綺礼が、ほしくて、
「何が違うと言うのだね?ただ気持ち良くなりたいのだろう?なにも変わらないさ」
するりと頬を撫でる手が。
本当に、わたしを、×して、いるかのように。
「さあ、続けるが良い。君の思うがままに」
わたしは、綺礼を。
「その為ならば」
あああ×いあ××イ藍逢ああ×して。
「お前の欲しい言葉だって言ってやるさ」
るだけなのに、
綺礼だけなのに。
綺礼だけが、欲しいのに。
その顔は人を×する男のカオだった。
「愛している、なまえ」
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